いきなりの牽制球に若干萎縮しつつも

久しぶりのバイキングというものを楽しむ。それにしても面白いオバチャンだ。



恵比寿の街の中、少々場違いとも思わせる雑多な店内。タイの屋台風とのことだが、本物を知らない私にとっても大変ワクワクする空間だ。少なくとも言えることは時々発せられるこのオバチャンの関西弁が店内を支配しているということだ。タイ料理店に関西弁。何この違和感の無さ。


あまりいっぱい食べんといてや

というのは冗談だけれども、そう言われそうなほど食べる食べる。


パッタイには定番の４点調味料（唐辛子、ナンプラー、酢、砂糖）で味付けをしながら。春雨炒めもいい味。これはパット（炒め）ウンセン（春雨）と呼ぶのかなぁ。スパイシーな手羽先、ひき肉炒めもたまらない。


グリーンカレー（ゲーンキョウワン）もいいね。
バイキングであるが、これはたまらんぞ。しかも1000円以下なのだ。


オーダー制の麺料理もある。トムヤムクンの麺を食べたいとオバチャンに伝えると、

んああ？

と、オーダーを受け付けてくれたかわからない反応。無事にサーブされた時には何とも言えない安堵感が漂った。カーやバイマックルがゴロゴロ入った本格的というか雑多な味が良い。

ココナッツミルクのタピオカも美味しい。


接客の不満をブログに吐き出す人がいるが、視点を変えれば外食をもっと楽しめるのにといつも思う。「お金を払っているんだから」という意見もあるけれど、ラーメンにナルトを乗せるのも、笑顔で接客するのもお店の勝手。店員が無愛想なことに怒る輩は、ナルトが乗ってないラーメンを前にして怒っているのと一緒に見えて滑稽に感じるのだ（ごめん）。

お店の勝手だからこそ、笑顔で居心地の良い空間を醸しだすお店は高く評価したくなる。ただ、その逆をマイナスに捉えた場合はその者の損となる。人間関係はもともとエキサイティングなもの。店員とてそれは同じ。人を人と見て、もっと楽しむ術はある。

なんてね。

オバチャンと帰り際に話した時の最後の一言が、

ほんまかいな

大きな荷物を抱えて写真を撮りながら食べていた私に対し、どこの田舎から来たんじゃ的な会話だった気がする。その後の会話の流れを思い出せないので、何がほんまかいななのか全然わからないのだが、リズミカルで印象的な言葉だ。

いや、しかしこんなオバチャンのような個性が巷の飲食店に溢れていたら、必ず街が楽しくなる。
そんな恵比寿を羨ましく思いながら店を後にした。

ア・テッパラ　東京都渋谷区恵比寿南1-14-15 ラ・レンス恵比寿　Ｂ１Ｆ