2010年09月29日

穏やかな時間に包まれて (仲よし@松本市)

何回目だったっけ。

松本駅南の陸橋の歩行者用の階段をテクテクと踏みしめながら、恐らく片手で足りるであろうこの店への訪店回数を順番に思い出そうと試みるが、なかなか難しい。後で確認したら記事化は2回・・・あれれ、こんなものか。

5年半ぶりに暖簾をくぐると先客ゼロ。当時のお昼時はJRの職員で賑わっていた記憶があるが今日は静かだ。程なく一組の客がやってくるまで、自分とお店の時間が一対一に並行して流れる感触を贅沢に味わいながら店内をゆっくりと見渡した。埃一つないカウンター、清潔で整理された厨房。そんなところからもこの店の仕事の誠実さが垣間見え、安心感と期待感に満たされる。

からからと小気味よい音を立てる天ぷら鍋でかき揚げの調理を行ないつつ、スチームボイラーを利用しているらしい麺茹での釜の沸騰の中に麺が投入された。

『天ぷらラーメン』

メニューに記載は無いが、この店を知る者にとっては有名で、誰でも普通にオーダーが通る品。今日はこれが目当てだったのだ。



たっぷりのスープの上に揚げたてのかき揚げ。大部分はスープに浸っているため、あっという間にフワフワした状態になるが、天ぷらの様々な要素がこの器の中で充実感を生むというのは、天ぷらうどんや天ぷらそばで誰もが経験していることであろう。

熱い。しかしウマイ。

この天ぷらを受け止めるのは透明度のある醤油スープ。甘みが控えめで醤油由来の酸味を感じるため、キレ味に鋭さがある。中細の縮れ麺も食感が絶妙で、あっさり古風なラーメンとしては完成度の高い逸品と言いたくなる程だ。

「意外にあっさりしているでしょう?」主人の言葉通り、天ぷらが乗ってもしつこさはそれほど強くない。スープと天ぷらの相性あってのこのラーメンなのだ。

ただ、ボリューム感は私のキャパを超え気味。やや単調に感じ始めたところで七味唐辛子を投入し一気に加速。相性は言わずもがな。

千円札のお釣りとして小銭がじゃらり。そのまま財布に入れてしまったので価格は失念したが、結構安いはずだ。ちなみに、ベーシックなラーメンは480円である。

安くて美味しいのは、素直に嬉しい。
醸しだされるこの店の穏やかな時間にはもっとお金を払ってもいいとも思った。

色々な意味での満足感を得て、パラつく小雨を避けるように早足で会社に戻るのであった。


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Posted by razza at 00:07│Comments(0)松本市
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